サクラマスとヤマメは同じ魚
実は、サクラマスとヤマメは同じ魚です。川で生まれた個体の一部は海へ下り、海で成長した後、産卵のために再び生まれた川へ戻ってきます。この降海型がサクラマスです。
一方、川から海へ下らず、一生を川で過ごす個体がヤマメです。同じ魚でありながら、生活する環境によって体の大きさや姿、呼び名が異なるという興味深い特徴があります。
海を回遊して、ふたたび川へ
サクラマスは、川で孵化して成長した後に海へ下り、オホーツク海や日本海などを回遊します。そして成長すると産卵のために再び川へ戻り、上流を目指して遡上します。
春先、桜色の体を輝かせながら川を上る姿は、庄内の自然を象徴する風景のひとつです。
最上川を遡上する「川マス」は格別の味
庄内で特に味わいたいのが、最上川河口周辺を遡上する川マスです。毎年4月1日から5月31日まで漁が行われ、なかでも酒田市新堀地区周辺で獲れるものは、格別のおいしさとして知られています。
雪解け水によって水量が増し、濁った最上川を遡ってきたサクラマスは、海にいるものと比べて身が締まり、脂がのっているのが特徴です。新堀地区に到達した頃が、特においしいタイミングとされています。
雪解け水と漁獲量の変化
かつては最上川で数多く獲れた川マスですが、近年は漁獲量の減少が課題となっています。その背景のひとつとして、降雪量の減少や、田植えに伴う農業用水の取水時期が早まったことなどが挙げられています。
5月に入ると最上川の水位が低下して水が澄みやすくなり、濁った水を好むサクラマスが遡上しにくくなることも、漁獲量に影響するとされています。
旬は4月から6月
庄内産サクラマスの旬は4月から6月頃です。特に春の最上川を遡上する時期には、庄内ならではの季節の味覚として楽しむことができます。
庄内の春を味わう郷土の魚
サクラマスは、単なる海の幸ではなく、春祭りのご馳走として受け継がれてきた庄内の食文化を象徴する魚です。川と海を行き来する独特の生態を持ち、最上川を遡上する川マスには、庄内の春ならではの味わいがあります。
春に庄内を訪れた際には、地域の料理店などで旬のサクラマス料理を味わい、季節の移ろいを感じてみてはいかがでしょうか。