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山居倉庫

(さんきょそうこ)

テレビ小説「おしん」のロケーション舞台

山居倉庫は、1893年に建てられたケヤキ並木と黒板塀が印象的な米貯蔵庫です。酒田市の南部、新井田川の河口近くに位置し、庄内米の貯蔵庫としてその歴史は藩政時代に遡ります。

現在の倉庫は12棟の土蔵造が並び、倉庫前の船寄や裏手のケヤキ並木と共に往時の風情を感じさせます。このうち1棟は庄内米歴史資料館及び酒田市観光物産館として公開されています。

屋根を二重にして断熱材代わりにし、倉庫の裏側にケヤキを植えて西日避けや強風避けにするなど、低湿管理が行われ、昔ながらの工夫と仕掛けで湿気と熱から米を守っていました。2022年に129年の米倉庫としての役割を終えました。

建築と歴史

山居倉庫は、1893年に酒田米穀取引所の付属倉庫として建設されました。1939年に米穀配給統制法により取引所は廃止されましたが、倉庫はその後も使用され続けました。

12棟のうち9棟は2022年まで米蔵として使用され、1棟は1985年に庄内米歴史資料館、2棟は2004年に酒田市観光物産館「酒田夢の倶楽」として一般公開されています。2016年からは日没から午後10時までライトアップが行われています。

施設構成

倉庫の建築には、鶴岡市出身の棟梁・高橋兼吉が設計した土蔵造りの建物が使用されています。敷地は新井田川の中洲(山居島)で、港が近く舟運に適していましたが、地盤が軟弱だったため、約3.6メートルの盛り土と石垣、基礎の下に長さ約3.6メートルの杭を打ち込みました。

倉庫の西側には41本のケヤキが植えられ、陽射しを遮り、冬の強い季節風から建物を守っています。屋根は断熱を考慮した二重構造で、内部の土間はにがりで練り固め、塩を敷いて温度・湿度を一定に保つ技術が用いられています。

川に面して船着場があり、江戸時代から明治時代にかけて最上川舟運の拠点でした。運搬には「女丁持(おんなちょうもち)」と呼ばれる女性たちが関わり、60kgの米俵を5つ(300kg)背負って運んだ記録があります。

メディアでの扱い

山居倉庫のケヤキ並木は、テレビや雑誌などで頻繁に紹介され、女優・吉永小百合が出演するCMやポスターにも使用されました。1982年にNHK連続テレビ小説『おしん』のシナリオハンティングで訪れた橋田壽賀子とスタッフが山居倉庫を見て、ドラマの舞台として採用しました。

その他、映画『おくりびと』など、海外からも古き良き日本をイメージさせるロケ地として引き合いが多く、明治時代にタイムスリップしたかのような佇まいが度々映画やテレビに登場しています。

ノスタルジックな雰囲気

敷地内には倉庫が奥まで続き、ノスタルジックな雰囲気が漂います。米の積出港として賑わった往時の空気感を今に残しており、このエリアはフォトスポットとしても人気です。

倉庫の表側は川沿いにあり、三角屋根の白い壁と川面に映る倉庫の影、最上川に面した船着場、米を運んだ小鵜飼船など、興味深い風景が展開します。倉庫の裏側にはケヤキ並木が続き、黒板塀と石畳との組み合わせがフォトジェニックです。

新緑のケヤキ、雪景色が降り積もる三角屋根、明りが灯る夕暮れ、雨に濡れる石畳など、四季や時間帯によっても異なる表情を見せます。

観光物産館「酒田夢の倶楽」

山居倉庫には観光物産館「酒田夢の倶楽」が併設されており、地域の名産品が揃っています。美味しいお米や地酒をおみやげにどうぞ。季節ごとの海の幸、里の幸をふんだんに使った料理をいただける食事処や、風が気持ちいいオープンテラスもあります。

Information

名称
山居倉庫
(さんきょそうこ)
リンク
公式サイト
住所
山形県酒田市山居町1丁目1-8
電話番号
0234-22-5353
定休日

無休

料金

無料

駐車場
30台
アクセス

JR酒田駅から車で約5分

日本海東北自動車道 酒田ICから車で約15分

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