きなこをたっぷりつけて味わう素朴な甘味
笹巻きを食べる際は、まず笹を丁寧に取り外し、もち米でできた餅にきなこをたっぷりつけていただきます。もちもちとした食感と、きなこの香ばしい風味、やさしい甘みがよく合い、素朴ながらもどこか懐かしさを感じさせる味わいです。
地域によって食べ方にも違いがあり、納豆をつけて食べる地域もあります。また、灰汁(あく)を使って煮ることで黄色く仕上げた、ゼリー状の笹巻きもあり、黒蜜をかけて食べるなど、土地ごとにさまざまな食文化が見られます。
山形県内で異なる、笹巻きのさまざまな形
笹巻きは山形県内の広い地域で食べられていますが、笹の巻き方には地域ごとの特色があります。大きく分けると5種類の巻き方があり、同じ笹巻きでも形や呼び名が異なります。
三角巻き・こぶし巻き(げんこつ巻き)
三角巻きとこぶし巻き(げんこつ巻き)は、山形県内の広い地域で見られる代表的な巻き方です。三角形に仕上げるものや、握りこぶしのような形に包むものなど、それぞれ特徴的な姿をしています。
庄内地方の「竹の子巻き」
庄内地方では、円すい形に仕上げる「竹の子巻き」が主流です。笹を重ねながらもち米を包み、細長く先のとがった形に仕上げる姿が、竹の子を思わせることからこの名で呼ばれています。
村山地区の「なた巻き」
村山地区では、「なた巻き」と呼ばれる四角い小包のような形の笹巻きが作られています。笹で包んだ姿が小さな包みのように見えるのが特徴です。
置賜地区の「つの巻き」
置賜地区では、キャンディのように両端を包んだ「つの巻き」が見られます。なた巻きと同様に、もち米とともにくるみを入れることがあるのも特徴です。
地域ごとに受け継がれる、山形の食文化
笹巻きは、単なる季節の食べ物ではなく、端午の節句の行事とともに受け継がれてきた山形県の大切な食文化です。地域によって形や食べ方が異なることから、それぞれの土地の暮らしや知恵を感じることができます。
特に庄内地方では、伝統的な竹の子巻きの作り方を次の世代へ伝える取り組みも行われています。遊佐町では、笹巻きの食文化を未来に残すため「遊佐町笹巻き研究会」が発足し、若い世代への継承を目指した活動が進められています。
昔から地域の家庭で作られてきた笹巻きを通して、山形の季節感や郷土の食文化に触れられるのも魅力です。端午の節句の時期に山形を訪れた際には、地域によって異なる笹巻きの形や味わいを楽しんでみるのもおすすめです。
旬の時期
5月