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赤倉温泉(最上町)

(あかくら おんせん もがみまち)

豊富な湯量と自家源泉を誇る、いにしえの名湯

赤倉温泉は、山形県最上町の小国川沿いに広がる歴史ある温泉地です。開湯から1,100年以上の歴史を持つとされ、豊富な湯量に恵まれた「温まりの湯」として、古くから多くの人々に親しまれてきました。

赤倉温泉の大きな特徴は、温泉街にある旅館の多くがそれぞれ自家源泉を持っていることです。源泉によって泉質や温度に微妙な違いがあり、各旅館が趣向を凝らした浴場で源泉かけ流しの湯を提供しています。

清流・小国川のせせらぎを聞きながら温泉に浸かれば、山あいの静かな環境と豊かな自然を感じながら、ゆったりとした時間を過ごせます。温泉だけでなく、松尾芭蕉の足跡や山刀伐峠、冬のスキーなど、周辺観光と組み合わせて楽しめるのも魅力です。

9軒の旅館が点在する温泉街

赤倉温泉の温泉街は、赤倉温泉駅から少し離れた小国川沿いに形成されています。9軒の旅館が点在し、それぞれが豊富な湧出量を持つ自家源泉を利用しています。

同じ赤倉温泉でも、源泉によって微妙に異なる特徴があるため、旅館ごとに異なる湯の趣を楽しめるのが魅力です。浴場の造りにもそれぞれ個性があり、露天風呂など趣向を凝らしたさまざまな温泉を楽しめます。

温泉街には共同浴場もあり、旅館の湯とは異なる、地域に根付いた温泉文化を感じることができます。周辺には赤倉温泉スキー場もあり、冬には温泉とウィンタースポーツを組み合わせた旅行も楽しめます。

身体の芯まで温まる「温まりの湯」

赤倉温泉は、湯から上がった後も身体が長く温かく感じられることから、昔から「あったまりの湯」として親しまれてきました。

山あいの温泉地ならではの静かな環境の中で温泉に浸かり、小国川のせせらぎに耳を傾ければ、日常の喧騒を離れてゆっくりと過ごすことができます。特に寒さの厳しい冬には、雪景色を眺めながら温泉で身体を温める、山形ならではの温泉情緒を味わえます。

赤倉温泉の泉質と特徴

赤倉温泉の泉質は、カルシウム・ナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉とされています。泉温は源泉によって異なりますが、約50℃~65℃ほどです。

弱アルカリ性で、無色透明、無味無臭の湯が特徴とされ、古くから身体を温める温泉として利用されてきました。

各旅館が自家源泉を持つため、同じ温泉街の中でも湯の温度や成分などに違いがあります。温泉を巡りながら、それぞれの湯の個性を楽しむのも赤倉温泉ならではの過ごし方です。

慈覚大師にまつわる開湯伝説

赤倉温泉には、慈覚大師円仁にまつわる開湯伝説が伝えられています。

貞観5年(863年)、奥羽地方を巡っていた慈覚大師がこの地を訪れた際、村人たちが小国川の川湯で傷ついた馬を治しているのを目にしたといいます。

そこで慈覚大師が錫杖で川底の岩を突いたところ、薬湯が湧き出したと伝えられています。現在でも小国川周辺の石や岩を掘ると温泉が湧き出る場所があるとされ、古くから続く温泉地の歴史を物語っています。

赤倉温泉の温泉については、江戸時代の享保6年(1721年)の鉱泉史にも記載があり、長い年月にわたって温泉が利用されてきたことがうかがえます。また、日山湯は文政4年(1821年)に発見されたとされています。

「赤倉」という地名に込められた意味

赤倉という地名にも、この地域の歴史や信仰が関係していると伝えられています。

鎌倉時代には、周辺の翁山(おきなさん)が信仰の山として栄えました。行者たちは小国川を聖なる川として崇め、慈覚大師ゆかりの温泉で身を清めた後、川の水を仏に供えてから翁山へ向かったとされています。

この際に使われた「閼伽(あか)」という言葉が地名に反映され、後に「赤」の字が使われるようになったともいわれています。

また、「倉」は「蔵」と同じ意味を持つとされ、もともとは危険な岩場を指す言葉だったという説もあります。こうした由来が重なり、現在の赤倉という地名が定着したと伝えられています。

県境を越えて楽しむ湯めぐり

赤倉温泉では、周辺の温泉地と組み合わせた湯めぐりも楽しめます。

JR陸羽東線や国道47号沿いに位置する瀬見温泉や、宮城県大崎市の鳴子温泉郷との間では、共通の湯めぐりチケットが発行されることがあります。

山形県と宮城県の県境を越えながら、複数の温泉地を巡ることができるため、それぞれ異なる温泉街の雰囲気や湯の個性を楽しみたい人にもおすすめです。

松尾芭蕉が歩いた最上町

赤倉温泉周辺は、俳聖松尾芭蕉の「おくのほそ道」の旅ともゆかりがあります。

元禄2年(1689年)、芭蕉は弟子の曾良とともに仙台領の尿前の関を越え、出羽国新庄領の堺田村、現在の最上町へ入りました。

「封人の家」に残る芭蕉の足跡

堺田村に到着した芭蕉一行は日が暮れたため、「封人の家」に宿泊しました。旧暦5月14日、現在の暦では7月1日に訪れたとされますが、悪天候のため二泊したと伝えられています。

この地で詠まれた句が、「蚤虱 馬の尿する 枕もと」です。馬と深く関わってきた山間の暮らしを背景にした句であり、当時の旅の様子や地域の生活を感じさせます。

山刀伐峠を越えて尾花沢へ

芭蕉一行が赤倉温泉方面を経て尾花沢へ向かう際に越えたとされるのが、山刀伐峠(なたぎりとうげ)です。

当時は山賊が出没することもあった険しい峠道でしたが、現在は散策路として整備されています。豊かな森林に囲まれた道では、四季折々の自然を楽しむことができ、特に秋には美しい紅葉が広がります。

冬は赤倉温泉スキー場で雪を楽しむ

秋の紅葉が終わると、最上町一帯は雪景色へと変わります。赤倉温泉の近くには赤倉温泉スキー場があり、冬の観光やレジャーを楽しめます。

12月下旬頃から営業が始まり、豊かな雪に恵まれたゲレンデにはさまざまなコースが用意されています。初心者から上級者まで、それぞれのレベルに合わせてウィンタースポーツを楽しめるのが特徴です。

雪山で遊んだ後に温泉街へ戻り、冷えた身体を「あったまりの湯」で温めるという過ごし方も、赤倉温泉ならではの冬の楽しみです。

日帰り温泉「おくのほそ道 赤倉ゆけむり館」

宿泊だけでなく、日帰りで赤倉温泉を楽しめる施設として「おくのほそ道 赤倉ゆけむり館」があります。

四季折々の表情を見せる日本庭園を眺めながら入浴できる露天風呂をはじめ、家族風呂や産直・交流スペースなどを備えた日帰り温泉施設です。

庭園の景色と温泉を一緒に楽しみながら、赤倉温泉自慢の「あったまりの湯」を気軽に体験できます。観光途中の立ち寄り湯としても、周辺散策の休憩場所としても利用しやすい施設です。

四季を通して楽しめる赤倉温泉

赤倉温泉は、季節によって異なる自然の魅力を楽しめる温泉地です。

春・雪解けと新緑

春には雪解けが進み、小国川の流れが豊かになります。山々が徐々に新緑へと変わり、温泉街にも爽やかな季節が訪れます。

夏・清流と森林の涼やかさ

夏は小国川のせせらぎを聞きながら、山あいの自然を満喫できます。緑に囲まれた温泉街を散策し、温泉でゆっくり身体を休めるのもおすすめです。

秋・山刀伐峠の紅葉

秋には周辺の山々が鮮やかに色づきます。特に山刀伐峠などでは美しい紅葉を楽しむことができ、温泉と紅葉狩りを組み合わせた旅行に適しています。

冬・雪景色と温泉

冬になると温泉街は雪に包まれ、赤倉温泉ならではの幻想的な景色が広がります。スキーや雪遊びを楽しんだ後、源泉かけ流しの温泉で身体を温めるのも冬ならではの魅力です。

歴史、自然、温泉文化が息づく赤倉温泉

赤倉温泉は、1,100年以上の歴史を持つとされる古湯であり、慈覚大師円仁の開湯伝説や、松尾芭蕉の「おくのほそ道」にまつわる歴史が残されています。

9軒の旅館がそれぞれ自家源泉を持ち、豊富な湯量を生かした源泉かけ流しの温泉を提供していることも大きな特徴です。温泉街を流れる小国川のせせらぎ、周囲の山々、四季折々の自然とともに、ゆったりとした温泉時間を楽しめます。

さらに、瀬見温泉や鳴子温泉郷との湯めぐり、山刀伐峠の散策、冬のスキーなど、周辺の観光と組み合わせれば、最上地方ならではの旅をより深く楽しめます。

古い歴史と豊かな自然、そして個性ある自家源泉の湯が魅力の赤倉温泉。温泉にゆっくり浸かりながら、最上町に受け継がれてきた温泉文化と旅の歴史を感じてみてはいかがでしょうか。

9つの旅館が点在する温泉街

赤倉温泉駅から少し離れた小国川沿いに9つの旅館が点在し、各旅館は個別に豊富な湧出量の自家源泉を持っていて、微妙に異なる泉質です。それぞれ趣を凝らした多彩なお風呂で提供されています。また、共同浴場が1軒存在し、周辺には赤倉温泉スキー場もあります。

清流最上小国川のせせらぎを聞きながら、源泉かけ流しの湯船に浸かり、心身ともにくつろげる湯を楽しめます。日々の疲れを癒しましょう。

泉質と特徴

赤倉温泉の泉質は、カルシウム・ナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉(低張性弱アルカリ性高泉)で、泉温は約50℃~65℃です(各旅館の自家源泉ごとに異なります)。弱アルカリ性で無色透明、無味無臭です。関節痛、神経痛、動脈硬化などに効くと言われています。湯から上がった後は、いつまでも体がぽかぽかと温かい「温まりの湯」です。

開湯伝説と地名の由来

慈覚大師円仁が貞観5年(863年)に奥羽地方を巡っていた際、地元の村人が小国川で傷を負った馬を癒しているのを見て、錫杖で川底を突くと薬湯が湧き出たと言われています。鉱泉史では享保6年(1721年)に記載されており、日山湯は文政4年(1821年)に発見されています。

鎌倉時代、翁山(おきなさん)は信仰の山として栄え、行者たちは小国川を聖なる川とあがめ、円仁ゆかりのいで湯で身を清めた後、川の水を仏に供えて翁山へ向かう習わしがありました。この「閼伽(あか)」が地名にも反映し、後に「赤」の一文字に替えられたとされています。また、地名辞典によると「倉」は「蔵」と同意語で、元の意味は危険な岩場を指し、赤倉温泉の地名が定着しました。

湯めぐりチケット

温泉街には、赤倉温泉駅から少し離れた小国川沿いに9軒の旅館があり、温泉街の旅館を含め、JR陸羽東線・国道47号沿いにある瀬見温泉(山形県最上町)および鳴子温泉郷(宮城県大崎市鳴子)との間で、共通の湯めぐりチケットが発行されており、県境を越えた湯巡りが楽しめます。

松尾芭蕉の足跡

元禄2年(1689年)、松尾芭蕉は曾良とともに仙台領尿前の関を越え、出羽の国新庄領堺田村(現在の山形県最上町)に入りました。日が暮れたため宿としたのが「封人の家」です。旧暦の5月14日(7月1日)に訪れ、悪天候のため二泊しました。ここで詠んだ句が「蚤虱馬の尿する枕もと」です。馬を大切にしてきた土地ならではのエピソードです。

山刀伐峠
赤倉温泉を経て尾花沢に向かうために芭蕉一行が越えた峠が山刀伐峠です。当時は山賊が出没する危険な峠でしたが、現在は散策路として整備され、美しい紅葉狩りが楽しめます。

赤倉温泉スキー場

紅葉の時期が終わると、一面の雪景色が広がります。近くには赤倉温泉スキー場があり、12月下旬にオープンします。恵まれた雪質とバリエーション豊かなコースで、初心者から上級者まで誰でも楽しめます。

日帰り温泉「おくのほそ道」赤倉ゆけむり館

四季折々の表情を見せる日本庭園内の露天風呂ほか、家族風呂や産直・交流スペースを併設した日帰り温泉施設です。移り行く最上の四季を感じながら、赤倉温泉自慢の「あったまりの湯」を堪能できます。

Information

名称
赤倉温泉(最上町)
(あかくら おんせん もがみまち)

新庄

山形県