橋の特徴
肘折希望大橋は、2年の工期を経て完成しました。この工法で全長約240メートルは日本一を誇り、幅員は6~8.25メートル、総工事費は約19億円となっています。橋名板には、世界初の屋外使用となる有機EL照明が使われており、漢字の橋名板は吉村知事が筆書きしたものです。ひらがなの橋名板は地元の小中学生が書いたものです。欄干には視認性が高く、魔除けとされる朱色が採用されています。
歴史
2012年4月と5月に大蔵村で土砂崩れが計8回発生し、その規模は拡大して温泉街が水没する危険が生じました。肘折地区の自治会では臨時のFM局を開設し、水位情報や除雪情報などを発信しました。その後、温泉街は落ち着きを取り戻しましたが、県道の一部が通行不能となりました。
温泉街と村の中心部を結ぶ新たな橋の建設が急きょ決定され、2012年8月に工事が始まりました。24時間体制で工事が進められ、同年12月31日に仮開通し、2013年11月30日に本開通となりました。橋の完成により、大蔵村中心部から温泉街への所要時間が10~15分短縮され、温泉施設の利用客も増加しました。
構造と工法
肘折希望大橋はメタルロード工法が採用されており、これは中山間部の急斜面の道路拡張工事などに適しています。短尺で軽量なプレハブ部材で構成され、山間部の狭小で複雑な地形にも対応できる工法です。鋼管杭を119本地中に打ち込み、鋼管杭に直接桁を架設し、コンクリート製の床板を設置して道路を構築しています。
橋名板と欄干
橋名板は4ヵ所に設置されており、漢字の橋名板は吉村県知事の直筆で、屋外では世界初となる有機EL照明が使用されています。ひらがなの橋名板は地元の小中学生が一文字ずつ筆書きしたものです。欄干は視認性が高く、魔除けの色として朱色が採用されています。