龍上海の人気とこだわり
赤湯はラーメンの町としても有名で、龍上海赤湯本店は平日でも行列ができるほどの人気店です。看板メニューの「赤湯からみそラーメン」は、赤湯産の唐辛子を使った辛味噌が、濃厚で深い旨味のあるスープを引き立て、縮れ太麺にたっぷり絡めていただく一杯です。
1958年創業の「龍上海 赤湯本店」は、製麺から一貫して自家製にこだわり、全国各地から客が訪れる人気店です。出前でも伸びない太い平打ち麺は、良質の小麦を使い、ボリュームも180gとたっぷり。ひと玉ずつ行う手揉みによって適度に縮れ、モチモチとコシの強い食感がスープとよく絡みます。
ニンニクや唐辛子を練り込んだ辛味噌玉を丼の中心にのせるのが特徴的で、好みに応じて辛さを調節しながら徐々に溶かして食べることが特徴です。数十種類の材料を使用してこってりスープを作り、それに辛味噌をのせることで、辛味噌が食べられない人でも楽しめるようにしています。太い平打ちのちぢれ麺が濃いめの味噌スープとよく絡んで、しっかりとした味ながらもくどくなく、毎日食べたくなるような味です。
考案した店である龍上海では、「赤湯ラーメン」として醤油ラーメンを提供していおり、「赤湯からみそラーメン」のメニュー名で提供しています。
赤湯ラーメンの歴史
1958年に創業した龍上海ですが、当初は繁盛せず、売れ残ったスープを初代店主が自宅に持ち帰り、味噌を入れて味噌汁にして家族で飲んでいました。ある日、その味噌汁に息子(後の二代目店主)が麺を入れて食べたところ、美味しいと父に勧め、これがきっかけでラーメンの開発が始まりました。試行錯誤の末、赤湯特産の唐辛子や山形の赤味噌などをブレンドした辛味噌をスープに混ぜずトッピングするスタイルが1960年に完成しました。
一般的に味噌ラーメンの元祖とされているのは、1961年に札幌市の味の三平で発売された味噌ラーメンですが、龍上海も同時期に味噌ラーメンの販売を開始しています。ラーメン評論家の大崎裕史は、当時は情報の流通も少なく、どちらかが真似をしたわけではなく、自然発生的に誕生したのではないかと推測しています。
龍上海は地元で長らく人気店として営業を続け、激辛ブームを先取りしていたとも言えます。2005年には新横浜ラーメン博物館へ出店し、2008年には明星食品製造のカップ麺「龍上海 山形赤湯から味噌ラーメン」がセブン-イレブンで販売され、ラーメン博物館出店と共に全国的に名が知られるようになりました。
2017年には、南陽市の白岩孝夫市長の主導による「ラーメン課R&Rプロジェクト」で作成された小冊子『なんようしのラーメン』でも赤湯ラーメン、龍上海が取り上げられています。
なお、「赤湯ラーメン」「赤湯からみそラーメン」「赤湯辛味噌ラーメン」は、考案した店である龍上海の登録商標でもあります。
主な食材
龍上海で提供する赤湯からみそラーメンに使用されている食材は以下の通りです。
スープ: 煮干し、豚骨、鶏がら、タマネギ、ニンジン
具材: チャーシュー、ナルト、メンマ、青のり
辛味噌: 山形の赤味噌に唐辛子、ニンニクなどを加えたもの
麺: 多加水麺
食べ方
赤湯ラーメンの最大の特徴である辛味噌は、一度に全部溶かすとかなり辛くなるため、少しずつ溶かして自分の好みの辛さで食べることが推奨されています。辛味噌は別売りされていることもあり、より辛い味が好みならば追加トッピングすることも可能です。また、味噌ラーメンだけでなく、醤油ベースのラーメンに辛味噌をトッピングすることもできます。