食用としての利用
秋に熟したアケビの果皮と、黒い種子を包む白い果肉は食べられます。白い果肉はとろりとした爽やかな甘みがあり、黒い種子は苦味があるため、通常は取り除いて食べます。果肉はそのままホワイトリカーに漬けて果実酒にすることもできます。
厚い果皮はほろ苦く、ひき肉や味噌、キノコ、ナスなどを詰めて蒸し焼きや揚げ物にするなど、山菜料理として親しまれています。果皮を短冊に切って天ぷらや唐揚げにすることもできます。春には若芽も食用になり、おひたしや和え物、汁の実、バター炒め、混ぜご飯などに利用されます。アクが強いため、調理前には茹でて冷水にさらす必要があります。
アケビの果肉にはビタミンC、果皮にはカリウムが含まれており、栄養価も高いです。
薬草としての効能
アケビは、蔓、葉、根、果実には薬草としての効能があると言われています。葉を乾燥させてアケビ茶にすることもあります。
アケビの茎(蔓)や果実は、内臓の熱を取って尿を出す薬草として利用されます。ただし、妊婦や胃腸が冷えやすい人への使用は禁忌とされています。木質化した蔓には配糖体のアケビンやカリウムイオンなどが含まれ、カリウムイオンが体内のナトリウムイオン(塩分)を排除し、利尿作用を発揮します。このため、利尿薬としても用いられます。
工芸品としての利用
アケビのツルは、籠を編むなどして工芸品の素材としても利用され、お土産品として人気があります。