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白川湖の水没林

(しらかわこ すいぼつりん)

春限定の幻想的な風景

白川湖の水没林は、春先の雪解け水が白川湖に流れ込むことで満水になり、新緑のシロヤナギが水の中から生えているかのような幻想的な光景を楽しむことができる、2カ月限定の神秘的な風景です。この景色は、白川ダム湖岸公園から見ることができます。

早春の時期には「白の水没林」、新緑の時期には「緑の水没林」と、それぞれ異なる美しさを持っています。

見頃

白の水没林

3月下旬から4月中旬の早春の時期、木々が芽吹く前には湖岸の残雪とともに白に包まれる静寂の世界が広がります。この季節の「白の水没林」は、水面に映る空の青さや残雪の山のシルエットが素晴らしいです。湖面に残る氷を割りながら進むカヌーツアーも見どころの一つです。

緑の水没林

4月中旬から5月中旬にはシロヤナギが芽吹き始め、湖面の色もより一層濃い緑色に輝く「緑の水没林」となります。川鳥のさえずりを聞きながら穏やかに景色を楽しめます。5月下旬の田植えの時期になると徐々に水位が下がり、湖から地面が現れ、夏の白川湖の姿に変わっていきます。

水没林ライトアップ

白川湖の水没林は夜も魅力的です。風が少ない夜間にはライトに照らされたシロヤナギが幻想的に湖面に映り込みます。キャンプサイトの目の前で焚火をしながらゆったりとライトアップを楽しめます。さらに、土日祝日は水没林BARも開催され、カウンター越しに煌めく水没林を眺めながらドリンクを楽しむことができます。

白川ダムと湖の歴史

白川ダムによって作られた人造湖は「白川湖」と命名されました。総貯水容量は50,000,000トンで、置賜地域では随一の規模を誇ります。白川湖周辺は四季折々に様々な風景を見せ、様々なイベントが行われています。

毎年4月上旬にはオオヤマザクラが湖岸に咲き誇り、雪を被った飯豊山地とのコントラストが美しいです。5月初旬には「全国白川ダム湖畔マラソン大会」がダムサイトを発着点として行われ、3km・5km・10kmの3コースがあり、例年1,000~2,000人が参加します。また、この頃には雪解け水をダムから放流する風景も見られ、豪快な放流を堪能することができます。

夏には7月下旬に「SNOWえっぐフェスティバル」が白川ダム湖畔公園で開催されます。『真夏の雪の祭典』としても有名で、夜には白川湖畔で花火大会も行われます。秋には10月下旬頃の紅葉が見頃で、冬には白川湖の結氷が見られます。

付近の観光施設・宿泊施設

白川ダム湖岸公園の入口には白川温泉いいで白川荘があり、温泉や食事を楽しむことができます。特産品のどぶろくや山菜を使ったラーメン、さっぱりとした甘さのどぶろくソフトクリームもおすすめです。売店では、水没林とアウトドアモンスターがコラボした限定商品や飯豊町の特産品なども購入できます。

白川ダム湖岸公園内には、パークゴルフ場やオートキャンプ場があり、カヌーやSUP体験のほか、気軽にアウトドアを楽しむことができます。また、公園から車で約3分のところには山形県源流の森があり、丸太やワイヤー、ロープで作られた40種類以上のアドベンチャーコースや陶芸教室、リース作りなどが楽しめます。付近には農家民宿が7軒あり、田舎ならではののんびりとした宿泊もおすすめです。

カヌーツアー

カヌーのツアーでは、大自然に囲まれた湖の中をカヌーで巡ります。青空と白い雲、鳥のさえずりに包まれながらの湖上散歩は、ちょっとした冒険気分が楽しめます。初心者やご家族連れ、ご高齢の方でも安全に楽しく体験できるよう、漕ぎ方から丁寧に教えてくれます。日の出の特別な瞬間を味わえる早朝ツアーや、リラックスを味わうチェアSUPなど、さまざまな楽しみ方が用意されています。

白川湖畔キャンプ場

コテージ村 木湖里館

30区画のオートサイトと車の乗り入れ可能なフリーサイトがあります。水没林を目の前にテントを設営できる特別なキャンプが可能です。初心者の方や不安な方にはコテージ泊もおすすめです。

白川荘

窓を開ければ水没林が目に飛び込む絶好のロケーションです。四季折々の飯豊町中津川の食材をふんだんに使ったお食事を楽しむことができます。宿で作るどぶろくや、どぶろくを使ったソフトクリームやラーメンもおすすめの逸品です。

温泉

白川荘の白川温泉は美人の湯ともいわれ、大自然に囲まれながら四季折々の自然の美しさを感じながら入浴することができます。

パークゴルフ

4コース36ホールを備えたパークゴルフ場があります。水没林と飯豊連峰を背景にのびのびとプレーが楽しめます。各種レンタルもあるので手ぶらでも楽しめます。

源流の森

アスレチック、森林教室、クラフト教室など自然を感じられる40種類以上の遊びができる施設が、白川湖岸公園から徒歩15分の位置にあります。

白川ダム

白川ダムは、山形県西置賜郡飯豊町に位置し、一級河川である最上川水系の置賜白川(おきたましらかわ)に建設された、高さ66メートルのロックフィルダムです。置賜白川及び最上川の治水、置賜地方への利水、そして山形県企業局による公営水力発電を目的とした特定多目的ダムです。

沿革

最上川における治水事業は1913年(大正2年)から始まりましたが、戦後の水害続発に伴い、主な支流にも河川総合開発事業による多目的ダムが計画されました。1949年(昭和24年)には「第一次最上川改定改修計画」が策定され、その後1963年(昭和38年)には「第二次最上川改定改修計画」が制定されました。この計画の中で、飯豊山を水源とする置賜白川にダムを建設することが決まりました。

羽越豪雨と白川ダム計画の再検討

1967年(昭和42年)8月28日、置賜地域を中心に羽越豪雨が発生しました。この豪雨は1913年の豪雨を上回る被害をもたらし、洪水流量が計画を大幅に上回る1,400トン/秒を記録しました。この事態を受けて、洪水調節計画の再検討が行われ、1968年(昭和43年)には「白川総合開発事業」として白川ダムの計画が策定されました。

白川ダムの建設と補償交渉

白川ダムの建設に伴い、飯豊町の104戸・117世帯が水没することとなりましたが、補償交渉はわずか3ヶ月で妥結しました。これは、羽越豪雨やその後の水害に対する住民の理解があったためです。1971年よりダムの本体工事が開始されましたが、地質の脆弱さや地すべり対策に時間を要し、完成は当初の予定より4年遅れの1981年(昭和56年)となりました。

ダムの目的と機能

白川ダムは、置賜白川と最上川上流部の洪水調節、西高峰頭首工地点における既得農地に対する農業用水の補給、西置賜郡における新規灌漑、飯豊町への工業用水供給、そして山形県企業局による水力発電(認可出力:8,900kW)を目的としています。これにより地域の安全と発展に大きく貢献しています。

最上川水系のダム事業

白川ダムの完成後、最上川水系における建設省のダム事業は、1990年(平成2年)に完成した寒河江ダム、2011年(平成23年)に完成した長井ダムへと続きました。現在、白川ダム、寒河江ダム、長井ダムは国土交通省東北地方整備局最上川ダム統合管理事務所によって総合的に管理されています。

Information

名称
白川湖の水没林
(しらかわこ すいぼつりん)

米沢

山形県