☰
✕

山形県 > 米沢 > 白川湖の水没林

白川湖の水没林

(しらかわこ すいぼつりん)

春だけに現れる、幻想的な「水没林」の風景

白川湖の水没林は、山形県飯豊町の白川湖で春先のわずかな期間に見ることができる、神秘的な自然景観です。雪解け水が白川湖へ大量に流れ込むことで湖が満水になると、湖岸に生えるシロヤナギの木々が水の中から伸びているような幻想的な光景が現れます。

この景色を楽しめるのは、雪解けから田植えの時期までのおよそ2カ月間。水位が高い時期だけに現れるため、季節限定の特別な風景として注目されています。白川ダム湖岸公園から眺めることができ、湖面に映る空や山、木々が織りなす景色は、訪れる時期によって異なる表情を見せてくれます。

「白の水没林」と「緑の水没林」

白川湖の水没林は、季節の移り変わりとともに大きく表情を変えます。大きく分けると、木々が芽吹く前の「白の水没林」と、新緑に包まれる「緑の水没林」の2つの景観を楽しめます。

白の水没林|3月下旬~4月中旬

3月下旬から4月中旬頃の早春は、木々がまだ芽吹く前の時期です。湖岸には残雪が残り、雪山と湖面、そして水の中に立つシロヤナギが織りなす白く静かな世界が広がります。

水面に映る青空や、残雪をまとった山々のシルエットも美しく、雪国ならではの幻想的な風景を楽しめます。この時期には、湖面に残る氷を割りながら進むカヌーツアーも行われ、普段とは異なる角度から水没林を眺めることができます。

緑の水没林|4月中旬~5月中旬

4月中旬から5月中旬頃になると、シロヤナギが芽吹き始めます。湖面には鮮やかな緑が広がり、木々の新緑が水面に映り込む「緑の水没林」へと変化します。

鳥のさえずりを聞きながら、穏やかな湖と新緑を眺める時間は、春の白川湖ならではの楽しみです。やがて5月下旬の田植えの時期になると少しずつ水位が下がり、湖の中から地面が姿を現します。こうして水没林の季節が終わり、夏の白川湖へと景色が移り変わっていきます。

夜の水没林を彩るライトアップ

白川湖の水没林は、昼間だけでなく夜の景色も魅力的です。風の少ない夜には、ライトに照らされたシロヤナギが湖面に映り込み、昼間とはまったく異なる幻想的な雰囲気を楽しめます。

キャンプサイトの目の前で焚き火を囲みながらライトアップを眺めることもでき、自然の中でゆったりとした夜を過ごせます。さらに、土日祝日には「水没林BAR」も開催され、カウンター越しにきらめく水没林を眺めながらドリンクを楽しめます。

白川ダムによって生まれた白川湖

現在の白川湖は、白川ダムによって造られた人造湖です。総貯水容量は約5,000万トンで、置賜地域でも有数の規模を誇ります。

白川湖周辺は、春の水没林だけでなく、桜、新緑、夏のイベント、秋の紅葉、冬の結氷など、季節ごとにさまざまな景観を楽しめる場所です。年間を通して自然を生かしたイベントも開催されています。

春のオオヤマザクラと雪山

4月上旬頃には湖岸にオオヤマザクラが咲き始めます。桜の花と残雪を抱いた飯豊山地が湖畔で美しく対比し、春ならではの景色をつくり出します。

全国白川ダム湖畔マラソン大会

5月初旬には、白川ダムを舞台に「全国白川ダム湖畔マラソン大会」が開催されます。ダムサイトを発着点として、3km、5km、10kmの3コースが設けられ、例年1,000~2,000人ほどが参加する大会です。

この時期は雪解け水がダムへ流れ込むため、ダムからの放流が行われることもあります。大量の水が勢いよく流れ落ちる迫力ある放流風景も、春の白川ダムを訪れる際の見どころの一つです。

夏・秋・冬の白川湖

夏には、7月下旬頃に白川ダム湖畔公園で「SNOWえっぐフェスティバル」が開催されます。「真夏の雪の祭典」として知られ、夜には白川湖畔で花火大会も行われます。

秋は10月下旬頃になると周囲の木々が色づき、湖と紅葉が織りなす美しい景色を楽しめます。冬には湖面が凍り、白川湖の結氷を見ることができます。

自然を満喫できる白川ダム湖岸公園

白川ダム湖岸公園は、水没林を眺めるだけでなく、さまざまなアウトドア体験を楽しめる場所です。園内にはパークゴルフ場やオートキャンプ場が整備され、カヌーやSUPなどの水上アクティビティにも挑戦できます。

水辺でのんびり過ごしたり、スポーツを楽しんだり、キャンプをしたりと、自然の中で思い思いの時間を過ごせるのが魅力です。

水没林を間近に楽しむカヌーツアー

白川湖では、カヌーに乗って湖上から水没林を眺めるツアーも楽しめます。青空や白い雲、周囲の山々、湖岸の木々を眺めながら進む湖上散歩は、まるで大自然の中を探検しているような気分を味わえます。

初心者や家族連れ、ご高齢の方でも楽しめるよう、スタッフが漕ぎ方から丁寧に案内してくれるため、カヌーが初めての方にも適しています。

早朝ツアーやチェアSUPも楽しめる

ツアーには、日の出の特別な時間を楽しめる早朝ツアーなども用意されています。朝の静かな湖と水没林を眺めながら過ごす時間は、日中とは違った魅力があります。

また、座った姿勢で水上散歩を楽しめるチェアSUPなど、リラックスしながら自然を満喫できるアクティビティもあります。

水没林を目の前に楽しむキャンプ

白川湖畔では、幻想的な水没林をキャンプとともに楽しめるのも魅力です。

コテージ村 木湖里館

コテージ村 木湖里館には、30区画のオートサイトと、車の乗り入れが可能なフリーサイトがあります。水没林を目の前にテントを設営できる場所もあり、春の期間ならではの特別なキャンプを楽しめます。

テント泊に不慣れな方やアウトドア初心者には、コテージでの宿泊もおすすめです。自然を身近に感じながら、快適に白川湖周辺で過ごせます。

白川温泉いいで白川荘で温泉と食事を楽しむ

白川ダム湖岸公園の入口には、白川温泉いいで白川荘があります。水没林を望む立地にあり、温泉だけでなく、飯豊町や中津川地域の食材を生かした料理も楽しめます。

水没林を望む白川温泉

白川荘の白川温泉は「美人の湯」とも呼ばれています。大自然に囲まれた温泉で、四季折々の景色を眺めながらゆっくりと入浴できます。

地域の味を生かした名物

白川荘では、特産品のどぶろくをはじめ、山菜を使ったラーメン、どぶろくを使ったソフトクリームなど、地域ならではの味を楽しめます。

売店では、水没林とアウトドアモンスターがコラボレーションした限定商品や、飯豊町の特産品なども販売されています。水没林観光の記念やお土産探しにも立ち寄りたいスポットです。

水没林と飯豊連峰を望むパークゴルフ

白川ダム湖岸公園には、4コース・36ホールのパークゴルフ場があります。水没林や飯豊連峰を背景に、開放的な自然の中でプレーを楽しめます。

各種レンタルも用意されているため、道具を持っていない方でも気軽に体験できます。

自然体験ができる「源流の森」

白川ダム湖岸公園から車で約3分、徒歩では約15分の場所には山形県源流の森があります。アスレチックや森林教室、クラフト教室など、自然を身近に感じられるさまざまな体験ができます。

丸太やワイヤー、ロープなどを使った40種類以上のアドベンチャーコースがあり、子どもから大人まで自然の中で体を動かして楽しめます。陶芸教室やリース作りなどの体験もあり、白川湖とあわせて訪れるのもおすすめです。

周辺には7軒の農家民宿もあり、田園や山里の風景に囲まれながら、地域の日常に触れるような宿泊体験を楽しめます。

高さ66メートルの白川ダム

白川ダムは、山形県西置賜郡飯豊町に位置し、一級河川・最上川水系の置賜白川に建設されたロックフィルダムです。高さは66メートルで、洪水調節、農業用水や工業用水の供給、水力発電など、地域の暮らしを支える多目的ダムとして整備されています。

山形県企業局による公営水力発電も行われており、認可出力は8,900kWです。置賜白川と最上川上流域の治水、農業用水の確保、地域の産業を支える重要な施設となっています。

白川ダム建設へ至るまでの歴史

最上川の治水事業は1913年(大正2年)から始まりました。戦後、各地で水害が相次いだことから、主要な支流についても河川総合開発事業による多目的ダムの建設が計画されました。

1949年(昭和24年)には「第一次最上川改定改修計画」が策定され、その後1963年(昭和38年)には「第二次最上川改定改修計画」が制定されました。この計画の中で、飯豊山を水源とする置賜白川にダムを建設することが決定しました。

羽越豪雨による計画の再検討

1967年(昭和42年)8月28日には、置賜地域を中心に羽越豪雨が発生しました。この豪雨による被害は1913年の豪雨を上回り、洪水流量も当初の計画を大きく上回る毎秒1,400トンを記録しました。

これを受けて洪水調節計画が改めて検討され、翌1968年(昭和43年)には「白川総合開発事業」として白川ダムの計画が策定されました。

住民との補償交渉とダム建設

白川ダムの建設により、飯豊町では104戸・117世帯が水没することとなりました。一方、補償交渉は約3カ月という短期間で妥結しています。羽越豪雨をはじめとする水害を経験した住民の理解が背景にあったとされています。

1971年からダム本体の工事が始まりましたが、地質の脆弱さや地すべり対策などに時間を要しました。そのため完成は当初の予定より4年遅れ、1981年(昭和56年)となりました。

地域の安全と発展を支える白川ダム

白川ダムは、置賜白川と最上川上流部の洪水調節をはじめ、既得農地への農業用水の補給、西置賜地域での新規灌漑、飯豊町への工業用水の供給、そして水力発電など、複数の役割を担っています。

こうした機能によって地域の治水と利水を支え、農業や産業の発展にも貢献しています。現在では、ダムそのものだけでなく、ダム湖である白川湖が豊かな自然景観とアウトドア観光の舞台となっています。

最上川水系のダム事業と白川湖

白川ダムの完成後も、最上川水系ではダム整備が続き、1990年(平成2年)に寒河江ダム、2011年(平成23年)に長井ダムが完成しました。

現在、白川ダム、寒河江ダム、長井ダムは、国土交通省東北地方整備局の最上川ダム統合管理事務所によって総合的に管理されています。

春の絶景からアウトドアまで楽しめる白川湖

白川湖の水没林は、雪解けによって一時的に水位が上昇することで現れる、春限定の特別な風景です。残雪とシロヤナギが織りなす「白の水没林」から、新緑に包まれる「緑の水没林」へと移り変わる姿は、季節の変化を感じさせてくれます。

さらに、ライトアップや水没林BAR、カヌー・SUP、キャンプ、パークゴルフ、温泉、森林体験など、周辺には自然を満喫できるさまざまな楽しみがあります。幻想的な水没林を眺めるだけでなく、湖と山に囲まれた飯豊町の自然を体験できる観光エリアとして、ゆっくり滞在して楽しみたい場所です。

Information

名称
白川湖の水没林
(しらかわこ すいぼつりん)

米沢

山形県