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伝国の杜 米沢市上杉博物館

(でんこく もり よねざわし うえすぎ はくぶつかん)

国宝と上杉家ゆかりの文化財から米沢の歴史を学ぶ

伝国の杜 米沢市上杉博物館は、山形県米沢市にある歴史博物館です。米沢城の本丸跡に整備された松が岬公園に隣接し、上杉家や米沢の歴史、文化に関する貴重な資料を収蔵・展示しています。

館内では、戦国時代から江戸時代にかけて米沢を治めた上杉家にゆかりのある文化財を中心に、古文書や絵図、武家文化に関する資料などを見ることができます。

なかでも大きな見どころが、国宝「上杉本洛中洛外図屏風」と「上杉家文書」です。さらに、米沢藩9代藩主・上杉鷹山の藩政改革を紹介する展示もあり、上杉家の歴史だけでなく、米沢の文化や地域の歩みを幅広く学べます。

国宝「上杉本洛中洛外図屏風」

博物館を代表する文化財の一つが、国宝「紙本金地著色洛中洛外図(上杉本洛中洛外図)」です。天正2年(1574年)に織田信長から上杉謙信へ贈られたと伝えられ、その後、米沢藩主となった上杉家に伝来しました。

桃山時代を代表する絵師狩野永徳の筆による作品とされ、京都の町並みを一望するような構図の中に、洛中と洛外の四季の風景、人々の暮らし、祭り、名所、動植物などが細やかに描かれています。

約2,500人の人物が描かれた京都の風俗画

屏風には、身分や職業、年齢、性別などの異なる約2,500人の人物が描かれているとされます。貴族や武士、商人、職人、庶民など、さまざまな人々の姿から、当時の京都の社会や生活の様子をうかがうことができます。

人物だけでなく、寺社や建物、祭礼、動物、植物なども丁寧に描かれており、桃山時代の京都を知るうえでも貴重な作品です。保存状態も良好で、日本美術を代表する作品の一つとして高く評価されています。

原本とレプリカの展示

通常は、国宝を忠実に再現したレプリカが展示されています。春と秋に開催される特別展などでは、期間を限定して原本が公開されることがあります。

館内では、常設展示や企画展のほか、講演会やワークショップなども開催され、「上杉本洛中洛外図屏風」の世界をさまざまな角度から学べるよう工夫されています。

「洛中洛外図」の世界を映像で体感

館内の大型スクリーンでは、「上杉本洛中洛外図屏風」に描かれた京都の町や人々の暮らしを紹介する解説映像を見ることができます。

映像には実際の屏風に描かれた人物をもとにした表現も取り入れられており、細かな絵の中で人々がどのように暮らしていたのかを、より身近に感じることができます。

屏風とは

屏風とは、風や視線を遮るために室内で使用された、折りたたみ式の調度品です。室町時代初期には、六つの面を連ねた「六曲」を左右一組とする「六曲一双」の形式が成立し、後世の屏風の基本的な形式となりました。

屏風には風景や人物、花鳥などさまざまな題材が描かれ、江戸時代には合戦の場面を描いた「合戦図屏風」なども数多く制作されました。

国宝「上杉家文書」

もう一つの重要な見どころが、国宝「上杉家文書」です。これは旧米沢藩主・上杉家に伝来した古文書群で、鎌倉時代から江戸時代にかけての文書が含まれています。

その内容は2,018通、4帖、26冊に及び、平成13年(2001年)に武家文書として初めて国宝に指定されました。

上杉家の歴史を伝える貴重な古文書

上杉家文書には、戦国大名・上杉謙信の時代以降に作成された文書だけでなく、関東を拠点とした山内上杉氏や、越後を拠点とした長尾氏に伝わった文書も含まれています。

上杉氏の歴史をたどることができるだけでなく、戦国時代から江戸時代にかけての政治や社会、武家同士の交流などを知るうえでも重要な資料です。

受け取った当時の形を残す文書

上杉家文書の大きな特徴は、多くの文書が後世に軸装や巻子装などへ改装されることなく、伝来した当時に近い状態で保存されていることです。

文書の折り方や包み方なども残されており、当時の武家社会における文書の扱い方や書札礼を研究するうえでも重要な資料となっています。

館内の常設展示室に設けられた「上杉文華館」では、上杉家文書を紹介しています。展示品は定期的に入れ替えられるため、訪れる時期によって異なる資料を見ることができます。

上杉鷹山の改革を紹介する「鷹山シアター」

館内には、米沢藩9代藩主上杉鷹山の生涯や藩政改革を紹介する「鷹山シアター」も設けられています。

俳優が出演するドラマ仕立ての映像をはじめ、米沢織の技術を活用したグラフィック、当時の置賜地方や米沢城下をイメージしたジオラマなど、さまざまな展示手法を組み合わせています。

財政難に直面した米沢藩を立て直すため、鷹山がどのような改革を進めたのかを、歴史に詳しくない人でも理解しやすいよう紹介しています。

主要な展示品と文化財

米沢市上杉博物館では、上杉家に関する資料を中心に、米沢や置賜地方の歴史・文化を伝えるさまざまな文化財を紹介しています。

国宝

紙本金地著色洛中洛外図(上杉本洛中洛外図)
狩野永徳筆・六曲屏風一双

上杉家文書
2,018通、4帖、26冊。附として歴代年譜325冊、両掛入文書箱等並赤箪笥3合2棹があります。

重要文化財

越後国頸城郡絵図・越後国瀬波郡絵図
2鋪。附として越後国絵図1鋪があります。

長尾上杉氏印章
晴景・謙信・景勝が使用した27顆の印章です。

太刀 銘一(号・姫鶴一文字)

これらの文化財を通して、戦国時代の上杉家から江戸時代の米沢藩まで、長い歴史の流れを知ることができます。

伝国の杜の館内施設

エントランスと能舞台

正面入口から入ると、館内のエントランスホールに能舞台が展示されています。この能舞台は展示物として設置されているだけでなく、能や狂言の公演時には空気浮上式によって床からわずかに浮かせ、ホール内のステージへ移動させることができます。

置賜文化ホール

置賜文化ホールは、約500席を備えた文化ホールです。音楽や演劇などの舞台公演に利用され、可動式の能舞台も備えています。

エントランスに展示されている能舞台が、空気浮上方式によってホールのステージまで移動する仕組みは、伝国の杜ならではの特徴です。

展望室

常設展示室の奥には展望室が設けられており、館内から屋外の施設や周辺の景観を眺めることができます。展示を見た後に、ひと休みしながら周囲の様子を楽しめる場所です。

ミュージアムショップ

館内にはミュージアムショップもあり、上杉謙信、上杉鷹山、直江兼続など、米沢ゆかりの人物をモチーフにしたオリジナルグッズを販売しています。

歴史ファンに向けた商品だけでなく、米沢観光の記念になるさまざまな品がそろっています。

行屋

館内には、置賜地方の山岳信仰を伝える「行屋」も展示されています。

置賜地方では、飯豊山や出羽三山を信仰する山岳信仰が盛んでした。かつて男子が13~15歳になると、成人の儀礼としてこれらの山へ登拝する習わしがあり、その前に身を清めるために利用されたのが行屋です。

行屋は、登拝前に一定期間こもり、水垢離などを行うための建物でした。展示されているものは江戸時代末期に米沢市六郷町桐原で使用されていたもので、国の重要有形民俗文化財に指定されています。

上杉神社の「稽照殿」との違い

上杉家ゆかりの文化財を訪ねる際には、博物館に隣接する上杉神社の稽照殿(けいしょうでん)も見逃せません。

稽照殿には、上杉謙信や上杉景勝にゆかりのある武具や甲冑、遺品などが収蔵・展示されています。特に、米沢藩家老として知られる直江兼続の「愛」の前立を付けた兜は、上杉家ゆかりの品として知られています。

上杉家の歴史を資料や古文書から学ぶなら上杉博物館、武具や甲冑などを通して武将たちの姿を感じるなら稽照殿というように、両方を訪れることで上杉家の歴史をより深く楽しめます。

松が岬公園と米沢城址

伝国の杜 米沢市上杉博物館に隣接する松が岬公園は、米沢城跡を整備した公園です。

園内には上杉謙信を祀る上杉神社をはじめ、上杉鷹山の銅像や上杉家ゆかりのさまざまな碑が点在しています。

博物館で上杉家の歴史や文化財について学んだ後に松が岬公園を散策すれば、実際に上杉家の歴史が刻まれた場所を歩きながら、米沢城と上杉家の歩みをより身近に感じることができます。

上杉家と米沢の歴史を知る文化スポット

伝国の杜 米沢市上杉博物館は、国宝「上杉本洛中洛外図屏風」や「上杉家文書」をはじめとする貴重な文化財を通して、上杉家と米沢の歴史を学べる博物館です。

戦国時代の上杉謙信から、米沢藩の基盤を築いた上杉景勝、藩政改革に取り組んだ上杉鷹山まで、さまざまな人物の足跡を知ることができます。

松が岬公園、上杉神社、稽照殿などの上杉家ゆかりのスポットも周辺に集まっているため、米沢城跡を中心とした歴史散策の拠点として訪れるのにも適しています。

国宝 上杉本洛中洛外図屏風

天正2年(1574年)に織田信長から上杉謙信へ贈られたと伝えられ、米沢藩上杉家に伝来しました。平成7年に国宝に指定されました。筆者は桃山時代を代表する画家・狩野永徳で、京の都を一望し、洛中(市中)と洛外(郊外)の四季と、そこに暮らす人々の生活風俗を描いています。

この屏風には約2500人の人物が老若男女、身分、職業を問わず描かれており、動物や植物、名所や祭りなど当時の京都の様子が伺えます。保存状態も良好で、日本美術を代表する作品とされています。

普段はレプリカの展示ですが、特別展が開催される春と秋には期間限定で原本が展示されます。上杉博物館では、常設展示や企画展、講演会、ワークショップなどを通じて、詳しく紹介しています。

洛中洛外図の世界

大型スクリーンに映し出される解説映像では、屏風 洛中洛外図に描かれた京の町や人々の生き生きとした暮らしぶりを見ることができます。人物は、実際に屏風に登場する人々が基になっています。

屏風とは
屏風は、室内で風や視線を遮るための可動式の調度品です。室町時代初期には左右一双で一組とする形式「六曲一双」が確立し、その後の屏風の主流となりました。右隻と左隻の六曲の場合、右から一扇、二扇〜六扇と数えます。江戸時代には「合戦図屏風」も多く作られるようになりました。

国宝 上杉家文書

上杉家文書は旧米沢藩主であった上杉家に伝来した鎌倉時代から江戸時代までの古文書群です。2018通、4帖、26冊が平成13年(2001年)に武家文書として初めて国宝に指定されました。

近世に米沢藩となった上杉氏は、もともと越後国の守護代であった長尾氏の系譜を引く氏族です。戦国期に長尾景虎(上杉謙信)が関東管領・山内上杉氏の名跡を継いで以降、上杉氏を称するようになりました。上杉家文書には謙信期以降の戦国大名や近世大名としての上杉家の文書に加え、関東を拠点とした山内上杉氏、越後長尾氏に伝わる文書群が含まれています。

近代まで上杉家の子孫が所持していましたが、平成元年(1989年)に上杉家より米沢市に寄贈され、現在は米沢市上杉博物館が保管しています。

本文書の特色は、大部分の文書が軸装や巻子装などに改装されずに保存されている点です。書札礼を考察する際に重要な折り方や包み方などが、上杉家で受け取った時のままの形態で保存されており、文書の本来の形態を知る上で学術的価値が高いとされています。

伝国の杜では、常設展示室内「上杉文華館」において、国宝「上杉家文書」を常時展示しています(2ヶ月ごとに展示替え)。

鷹山シアター

上杉鷹山の改革を紹介するシアターでは、俳優を起用したドラマ仕立ての映像や、米沢織の最新技術を用いたグラフィック、当時の置賜地方や米沢城下をイメージしたジオラマなど、様々な工夫を凝らしています。

主要展示品と文化財

米沢市上杉博物館では、上杉鷹山など上杉氏に関連する展示を中心に、伊達氏や市内の古墳に関する展示も行っています。

国宝

紙本金地著色洛中洛外図(上杉本洛中洛外図) 狩野永徳筆 六曲屏風一双
上杉家文書 2,018通、4帖、26冊(附:歴代年譜325冊、両掛入文書箱等並赤箪笥3合2棹)

重要文化財

越後国頸城郡絵図・越後国瀬波郡絵図 2鋪(附:越後国絵図1鋪)
長尾上杉氏印章(晴景、謙信、景勝所用)27顆(寄託品)
太刀 銘一(号姫鶴一文字)

伝国の杜 館内

エントランス
正面入口を入ったところで、能舞台が展示されています。能や狂言を上演する際には、能舞台は空気浮上式で床からわずかに浮き上がり、ホール内のステージへと移動します。

置賜文化ホール
置賜文化ホールは、客席数500席のホールで、音楽や演劇などを行う舞台形式です。可動式能舞台も併設されており、エントランスホールに展示されている能舞台が空気浮上方式で移動する仕組みになっています。

展望室
常設展示室の奥には、野外施設を見渡せる展望室があります。

ミュージアムショップ
上杉謙信や鷹山、直江兼続のオリジナルグッズを販売するミュージアムショップもあり、ここでしか手に入らない品も多数揃っています。

行屋
置賜地方では、飯豊山や出羽三山を崇める山岳信仰が盛んで、男子が13〜15歳になると、成人の儀礼としてこれらの山に登拝する習わしがありました。行屋は登拝前にこもり、水垢離をとって身を清めるための建物で、江戸時代末期に米沢市六郷町桐原で使用されました。国の重要有形民俗文化財に指定されています。

上杉神社の稽照殿

上杉謙信、景勝の武具甲冑や遺品、直江兼続の甲冑(「愛」の前立の兜)などは、上杉神社の稽照殿に収蔵・展示されています。

松が岬公園(米沢城址)

隣接する松が岬公園には、上杉謙信を祀る上杉神社や上杉鷹山の銅像など、上杉家ゆかりの碑が多数あります。

Information

名称
伝国の杜 米沢市上杉博物館
(でんこく もり よねざわし うえすぎ はくぶつかん)
リンク
公式サイト
住所
山形県米沢市丸の内1-2-1
電話番号
0238‐26‐8001
営業時間

9:00~17:00(最終入館は16:30まで)

定休日

・5月~11月毎月第4水曜日
・12月~3月毎週月曜日
※月曜が休日の場合はその直後の休日でない日
・年末年始

料金

常設展示室入館料
一般:410円
高校・大学生:210円
小中学生:110円
 
企画展示室入館料 
企画展ごとに異なります。

駐車場
120台
アクセス

JR米沢駅前から市民バス(市街地循環右回り路線)で約10分、上杉神社前下車
東北中央自動車道 米沢中央ICから車で約13分

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