「けんちん」と呼ばれる調理法
料理名にある「けんちん」は、普茶料理の「巻繊(けんちん)」に由来するとされる調理方法です。具材を油で炒めた後、だし汁を加えて煮含めるように仕上げるのが特徴で、でごづげのけんちんにもその調理法が取り入れられています。
古漬けのたくあんをそのまま食べるのではなく、ひと手間加えて味わい深い料理に仕立てるところに、昔の人々の食材を大切にする知恵が感じられます。
漬物樽の古いたくあんを無駄なく活用
昔の家庭では、漬物樽の底に残った古いたくあんを塩抜きして使うことがありました。新たに大根を漬ける時期が近づく冬には、前年から残っていた古漬けを活用する料理として、でごづげのけんちんがよく食べられていたといわれています。
油で炒めることで香ばしさを引き出し、だし汁と醤油で味を整えることで、古漬けのたくあんがご飯によく合う立派なおかずになります。
受け継がれる「もったいない」の食文化
でごづげのけんちんには、限られた食材を最後まで大切に使い切る、鶴岡の暮らしの知恵が詰まっています。古くなった漬物を捨てるのではなく、調理方法を工夫して新たな料理として楽しむ食文化は、現在にも受け継がれています。
別名「古漬たくあんのけんちん炒め」とも呼ばれる、素朴ながらも地域の食文化を感じられる鶴岡ならではの郷土料理です。