アクの強いとちの実を丁寧に加工
とちの実は独特の風味を持つ一方で、非常にアクが強いため、そのまま食べることはできません。食用にするためには、収穫した実を乾燥させ、皮をむき、長い時間をかけてアクを抜くなど、さまざまな工程が必要になります。
朝日地区や行沢地区では、こうしたとちの実のアク抜きの技法が古くから代々受け継がれてきました。実を拾うところから加工、餅をつくまで、一つひとつの工程に手間と時間をかけて仕上げられています。
ほんのり苦い、懐かしいふるさとの味
とちもちには、とちの実ならではのほんのりとした苦みと独特の風味があります。一般的な餅とはひと味違う、素朴で奥深い味わいが魅力です。
なかでも、餅の中にあんこを包んだとちもちは、栃の実のほろ苦さとあんこの甘さがよく合う人気の味です。素朴な餅の風味とほどよい甘さが調和し、どこか懐かしさを感じさせてくれます。
山形の山里に受け継がれる伝統の味
とちもちには、豊かな自然の恵みを生かし、食材を無駄なく利用してきた山形の伝統的な食文化が息づいています。手間のかかるアク抜きの技法を守りながら、昔ながらの味を大切に作り続けていることも、この郷土食の大きな魅力です。
現在では、朝日地区や行沢地区を代表する名物として、懐かしいふるさとの味を楽しめるおみやげとしても親しまれています。山形を訪れた際には、ぜひ昔ながらの製法で作られたとちもちを味わってみてはいかがでしょうか。
別名
栃餅(とちもち)