ぶどうの葉から生まれる美しい色合い
ぶどう葉餅は、5月から6月頃に採取した若いぶどうの葉を使います。収穫した葉を乾燥させて保存し、調理する際には水で柔らかく煮戻します。
柔らかくなったぶどうの葉をもち米と合わせて蒸し上げ、葉ともち米を一緒につくことで、独特のほんのりぶどう色をした餅ができあがります。自然の素材から生まれる色合いも、この郷土菓子ならではの魅力です。
あんこやくるみ味噌で味わう
できあがった餅は、そのまま味わうだけでなく、あんこを包んで食べるのが代表的な楽しみ方です。
また、くるみを砂糖と味噌で味付けした「くるみ味噌」をつけて食べることもあります。餅の素朴な風味に、くるみの香ばしさと味噌のコク、砂糖の甘みが加わり、独特の味わいを楽しめます。
温海地域では「古代餅」と呼ばれる
同じ鶴岡市内の温海地域では、ぶどう葉餅とよく似た餅菓子が「古代餅」と呼ばれています。基本的な材料や食べ方は共通していますが、餅を作る工程に少し違いがあります。
朝日地域と温海地域の製法の違い
朝日地域のぶどう葉餅は、柔らかく煮たぶどうの葉ともち米を最初から一緒に蒸し上げるのが特徴です。その後、葉ともち米を一緒につき、餅に仕上げます。
一方、温海地域の古代餅は、まずもち米を蒸し、そこに柔らかくしたぶどうの葉を加えてさらに蒸すという工程で作られます。この製法の違いはありますが、それ以外はほぼ同じ方法で作られています。
古代餅では、粒あんを中に入れることが多く、ぶどうの葉の風味とあんこの甘さを一緒に楽しめます。
地域の暮らしが伝える素朴な郷土食
ぶどう葉餅と古代餅は、鶴岡の山間地域で受け継がれてきた、素朴で個性豊かな郷土の餅菓子です。季節の植物を身近な食材として活用し、独自の製法で餅に仕立てるところに、地域の暮らしの知恵が感じられます。
朝日地域と温海地域で少しずつ異なる作り方や呼び名が残されていることも興味深いところです。鶴岡を訪れた際には、こうした地域ならではの食文化にもぜひ注目してみてください。