湯殿山の歴史と信仰:神秘的な湯殿山神社
湯殿山は古くから山岳信仰の対象とされてきました。薬師岳の北中腹にある湯殿山神社は、五穀豊穣や家内安全のご利益があるとされています。この神社は、社殿も拝殿もないという点が大きな特徴です。
中世には多くの人々から崇敬を集めました。伊達政宗の母、義姫は子宝を祈願して成就し、深く帰依しました。また、天正7年(1579年)には病を患った最上義光も治癒を祈願しました。
湯殿山神社とその周辺については、「語るなかれ、聞くなかれ」という伝統があり、松尾芭蕉も『おくのほそ道』でこの山の詳細については記さず、「語られぬ湯殿にぬらす袂かな」と句を詠むのみとしました。
アクセスと登山路
現在、湯殿山神社の近くまで道路が通じており、湯殿山から月山や羽黒山へ向かう登山路も整備されています。バスでは湯殿山神社の近くまで行くことができ、徒歩で5分程度の距離です。
湯殿山神社の本宮から月山への登山路は、出羽三山参拝の最難所とされています。特に中腹には、「水月光」「石月光」などの岩場が1.5キロメートルほど続き、鉄の梯子や鎖を使って登らなければなりません。
湯殿山神社から湯殿山の山頂までの登山道はないため、冬季は月山道路(月山花笠ライン)の月山第一トンネルの入口や県立自然博物園の裏からスキーで登る方法もあります。
湯殿山スキー場
湯殿山スキー場は上質な雪質と「R天国」として知られる庄内最大のスキー場です。全長300メートルで最大斜度35度の「上級コース」から、全長2,000メートルでなだらかな「林間コース」まで、実力別の4コースがあります。初心者から上級者まで楽しめるボードパークもあり、ボックスやキンクレール、テーブルトップが設置されています。
ゲレンデにはR状の壁が増設されており、子供から大人まで安全に楽しむことができます。12月から2月は高確率でパウダーが楽しめ、経験豊富なスタッフがレッスンを行う湯殿山スキー&スノーボードスクールも常設されています。