天保義民の出来事にまつわる菓子
おきつねはんの誕生には、江戸時代の天保義民の事件が深く関わっています。天保11年(1840年)、庄内藩主に転封の命令が下された際、藩主の領地替えを阻止しようと、農民たちが立ち上がりました。
その翌年、農民たちの願いがかなえられ、庄内藩主がそのまま庄内の地に「お据り」になることが決まりました。これを喜んだ農民たちが、藩主への感謝と喜びを込めて菓子を作り、献上したことが「おきつねはん」の始まりと伝えられています。
「居成」と「稲荷」にちなんだ名前
その名前には、「居成(いなり)」と稲荷(いなり)を掛けた言葉遊びが込められています。きつねをかたどっているのも、稲荷信仰とのつながりを感じさせる特徴のひとつです。
きつねの面をかたどった愛らしい姿
きつねの面をかたどった姿は、見た目にも印象的です。黒砂糖と小豆を使った生地は素朴でありながら風味豊かで、一般的な和菓子とはひと味違う独特の舌ざわりを楽しめます。
歴史的な出来事と地域の人々の思いを今に伝えるおきつねはんは、鶴岡の食文化に触れられる郷土菓子です。鶴岡を訪れた際には、土地の歴史とともに味わってみたい一品です。
別名
きつねめん