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文翔館

(ぶんしょうかん)

大正ロマンが漂う美しい洋館

文翔館は、1916年(大正5年)に「山形県旧県庁舎と県会議事堂」として建てられたイギリス・ルネサンス様式を基調としたレンガ造りの建物です。現在は山形県郷土館として一般公開されています。日没から21時30分までライトアップが行われています。

建物の特徴

文翔館は、花崗岩造りの洋館で、中央にレンガ造りの時計台を持ち、2階にはバルコニーがあります。外壁には南陽市産の花崗岩、屋根には宮城県雄勝町産の黒色スレートが使用されています。県庁舎は地上2階、半地下1階の3階建て、議事堂は平屋建て一部2階建てです。

設計はコンドルの弟子である田原新之助が担当し、顧問として中條精一郎が参画しました。この建物は大正初期のレンガ造り公共建築として数少ない遺構で、意匠的にも優れています。国の重要文化財に指定されています。

内部には議場ホール、会議室、ギャラリーなどがあり、さまざまなイベントや展示が行われています。文翔館は山形市の中心部に位置し、コンサートや屋外イベントにも利用されています。

見どころ

正面玄関と中央階段
正面玄関から入ると、大理石の柱と3階へ続く大きな階段が目に入ります。階段の踊り場には、月桂樹の葉の輪飾りがデザインされたステンドグラスがあります。また、創建当時のガラスが残っており、波打つように景色が見えるのが特徴です。

最上川は語る(旧土木課製図室)
この展示では、山形県を4つの地域(置賜・村山・最上・庄内)に分け、母なる川「最上川」を軸に各地域の風土・文化を紹介しています。最上川を通じた全国との結びつきや歴史も紹介されています。

山形の文学(旧会計課)
山形県出身の作家や、山形を舞台にした作品を著した作家を紹介しています。

銀行出納係(旧会計課)
昭和初期の銀行出納係の様子を再現しています。職員を想定した人形や修理した古い家具を使って、当時の雰囲気を感じることができます。

ロケ地としての利用

文翔館は、実写作品のロケ地としても使用されました。

『百年の物語』 - 2000年のスペシャルドラマ
『流転の王妃・最後の皇弟』 - 2003年のスペシャルドラマ
『るろうに剣心 京都大火編 / 伝説の最期編』 - 2014年の映画
『賭ケグルイ』 - 2018年のテレビドラマ

歴史

1911年5月、山形市の北大火で初代山形県庁舎および県会議事堂が焼失しました。そのため、新庁舎は耐火建築物として再建されることが決定し、出羽国米沢藩出身の中條精一郎が設計顧問となり、1916年6月に2代目の県庁舎および県会議事堂が竣工しました。建物はレンガ造りで、県庁舎は地上2階、半地下1階の3階建て、議事堂は平屋建て一部2階建てです。旧県会議事堂はレンガ造りの二階建てで、背後に公会堂を兼ねた平家建の議場を配置しています。県庁舎と議事堂、およびそれらを繋ぐ渡廊下が一体となって保存されています。

戦後の利用

高度成長期に入り、県庁の機能が多様化する中で、旧庁舎が狭くなり、新県庁舎が1975年に建設されました。その後、旧議事堂は改造されて事務室として一時的に使用されましたが、最終的に文化財として保存されることになりました。1984年には国の重要文化財に指定され、1995年に修復工事が完了し、「山形県郷土館」(愛称:文翔館)として開館しました。

Information

名称
文翔館
(ぶんしょうかん)
リンク
公式サイト
住所
山形県山形市旅篭町3-4-51
電話番号
023-635-5500
営業時間

9:00~16:30

定休日

第1・第3月曜日(祝祭日の場合は翌日)
年末年始(12月29日~1月3日)

料金

無料

アクセス

山形駅からバスで8分

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