長谷川コレクション室-江戸から明治の日本美術
長谷川コレクションは、山形銀行および殖産銀行(現・きらやか銀行)の経営に参画してきた長谷川家が、長年にわたって収集した美術品をもとにしたコレクションです。係累から寄贈を受けた作品などが展示されています。
コレクションには、重要文化財に指定されている与謝蕪村「奥の細道図屏風」をはじめ、江戸時代の狩野派、文人画、円山四条派などの作品が含まれています。
江戸時代から明治時代にかけて発展した日本絵画の流れを、さまざまな作品を通して系統的にたどることができるコレクションです。
新海竹太郎・新海竹蔵彫刻室
新海竹太郎・新海竹蔵彫刻室では、山形市出身の近代彫刻家新海竹太郎と、その甥である新海竹蔵の作品を紹介しています。
近代彫刻の先駆者の一人として知られる新海竹太郎の代表作「ゆあみ」をはじめ、二人の作家の作品を通して、日本の近代彫刻が歩んできた歴史や表現の変化を知ることができます。
山形にゆかりのある芸術家の作品を鑑賞できることも、山形美術館ならではの魅力です。
服部コレクション-20世紀フランス絵画
服部コレクションは、1991年に亡くなった服部敬雄の業績を記念して設けられたコレクションです。フランス絵画60点と、ロダン、マイヨール、ブールデルによる彫刻4点が収蔵・展示されています。
作品にはルオー、ピカソ、シャガールなどの20世紀を代表する芸術家の作品が含まれており、近代フランス美術の多様な表現を楽しむことができます。
吉野石膏コレクション-フランス近代絵画の名品
山形美術館を代表するコレクションの一つが、吉野石膏コレクションです。1981年春、山形県南陽市でかつて操業していた吉野鉱山を社名の由来とする吉野石膏から、美術品の寄託を受けたことをきっかけに展示されています。
コレクションには、フランス近代美術を代表する数多くの作家の作品が含まれています。ミレー、ピサロ、マネ、ドガ、シスレー、セザンヌ、モネ、ルノワールをはじめ、マティス、ヴラマンク、ピカソ、ブラック、シャガール、カンディンスキーなど、幅広い芸術家の作品を鑑賞できます。
多彩な美術の潮流を一度に鑑賞
作品はバルビゾン派、印象主義、キュビスム、抽象絵画、エコール・ド・パリなど、さまざまな美術運動にまたがっています。
19世紀の風景画や印象派から、20世紀の前衛的な表現まで、フランス近代美術の大きな流れをたどりながら鑑賞できる点が特徴です。山形にいながら、世界的に知られる画家たちの作品に触れられる貴重な機会となっています。
民間の力を中心に誕生した山形美術館
山形美術館は、当時の山形新聞・山形放送社長であった服部敬雄を中心として設立され、1964年8月に開館しました。
山形県内で美術館を建設することは、戦後間もない時期に山形県美術家協会が発足して以来、長く望まれていたものでした。その実現にあたっては民間が中心となり、山形県と山形市が協力する財団法人によって運営される形でスタートしました。
別館・新館の整備と発展
開館後も施設の整備が進められ、1968年に別館が開設されました。その後、1985年8月10日に新館がオープンし、翌1986年10月には別館の改修も行われ、現在の美術館へと整備されていきました。
こうした施設の充実とともに、日本および東洋美術、郷土関係美術、フランス美術を3本の柱として、作品の収集や調査・研究を継続しています。
開館50周年を迎え、地域の美術文化を支える施設へ
2011年4月には公益財団法人へ移行し、2014年には開館50周年を迎えました。
現在も美術文化の振興や県民の生涯学習を支える施設として、さまざまな活動を展開しています。企画展や巡回展の開催をはじめ、個人や団体による展示のための施設貸与なども行われ、地域の文化活動の拠点としても利用されています。
霞城公園とあわせて楽しみたい山形の文化スポット
山形美術館は、山形市の中心部にあり、霞城公園東大手門の近くという立地も魅力です。歴史ある城跡公園の散策と美術鑑賞を組み合わせれば、山形の歴史と文化を一度に楽しむことができます。
日本美術や山形ゆかりの芸術家の作品から、モネやルノワール、ピカソ、シャガールなど世界的な芸術家の作品まで、幅広い美術に触れられる山形美術館。山形を訪れた際に、地域の文化と世界の美術をじっくり味わえる文化施設です。