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いも煮

(いもに)

直径5m超の大鍋で3万食を振る舞う芋煮会

芋煮は、里芋やこんにゃく、ねぎ、きのこ類、季節の野菜などを主な具材とした鍋料理です。江戸時代、京都との文化交流から伝わり、稲刈りが終わる秋に食べごろを迎える里芋を用いた収穫祭や地域交流の場として親しまれてきました。

「芋煮会」は300年ほど前から続いており、現在も山形県の風物詩として、9月の第1日曜日を「芋煮会」の始まりの日としています。特に10月の「いも煮シーズン」には、県内の川や海で芋煮を楽しむ風景が見られます。

芋煮は地域によって材料や味付けが異なります。庄内風は豚肉を用いた味噌味、内陸風は牛肉を用いたしょうゆベースなど、様々なスタイルが受け継がれています。芋煮の旬は9月から12月です。

地域によって異なる味付けと具材

芋煮は、山形県の4つの地方で材料や味付けが異なります。

庄内地方:豚肉を用いる味噌味
内陸部:しょうゆをベースに牛肉を用いる
置賜地方:鶏肉を用いる
村山地方:牛肉と豚肉を用いる

芋煮の起源

芋煮の起源には諸説ありますが、江戸時代に船頭が最上川の航路で棒鱈と里芋を煮て食べたことが発祥とされる中山町や、山形市の馬見ヶ崎川改修時に工夫たちが里芋を煮て食べたという説があります。

日本一の芋煮会フェスティバル

山形の秋の風物詩である「芋煮会」を楽しめる「日本一の芋煮会フェスティバル」が毎年9月に開催されます。このフェスティバルでは、県内外から訪れる人々に3万食の芋煮が振る舞われます。

フェスティバルでは村山地方の芋煮汁が作られます。新鮮な里芋と牛肉を主に使い、こんにゃく、ねぎ、シメジなどが入り、しょう油、酒、砂糖で味付けされます。

直径6メートルの巨大な鍋「鍋太郎」を使って芋煮汁を作ります。材料には里芋3トン、牛肉1.2トン、こんにゃく3,500枚、ねぎ3,500本、味付け醤油700リットル、日本酒50升、砂糖200キログラム、そして山形の水6トンが使用されます。6トンの薪で煮炊かれ、朝6時に火入れを行い、約3時間後に芋煮が完成します。

芋煮は大きなバックホウ(ショベルカー)で盛り付けられ、会場に訪れる人々に提供されます。芋煮を囲んで親睦を深めるこのイベントは、山形ならではのコミュニケーションの場となっています。

フェスティバルで使用する里芋は、主催者と地元ボランティアが5月に定植し、丹精込めて育てたものです。牛肉には「黒毛和種」の山形牛を使用し、こんにゃくや長ねぎも山形県産です。材料のほとんどが山形産で、地元の風味を最大限に引き出しています。

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いも煮
(いもに)

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